50代の健康管理

50代といえば社会に出てから数十年、毎日ストレスを抱えながら頑張ってきました。

50代になると、これまでの不摂生のツケが体に現れ始めるようになります。命取りにもなりかねない心筋梗塞脳卒中も、50代から急増します。

加齢とともに筋力が低下してくるため、五十肩、腰痛など、体の衰えを実感する人も多くなります。

倦怠感、不眠、頭痛など、体に不調を感じるなら、更年期の症状かもしれません。個人差はありますが、女性の場合、50歳前後になると女性ホルモンの減少により、更年期障害の症状の発汗、体のほてり、うつ傾向など、さまざまな症状が現れます。

更年期障害はなかなか自分では気づかない事もあるので、定期的に婦人科を受診する習慣をつくるといいかもしれません。また、女性ホルモンが減少すると、骨粗鬆症動脈硬化のリスクもはね上がります。この年代の女性はとくに、食事や運動などの生活習慣に注意が必要です。

老化をストップさせることはできませんが、50代は体の機能の下降ラインを努力次第でゆるやかにすることは可能です。心筋梗塞脳卒中も、いまから生活習慣を改善すれば、発症リスクは減ります。また、専門ドックで重点的に検査を行えば、早期発見はもとより健康管理にも役立ちます。50代は老いと病気に正面から向き合って、きちんと対処することが必要。それが、この先も健康を維持するために大切なのです。

体力の向上、筋肉量の向上、バランスの取れた食事、どれもが健康には必要です。

ラジオ体操やストレッチなど、簡単で無理せず続けられることから始めてみませんか。

高齢になっても外出や趣味など、元気に楽しくできたら素敵な毎日です。

50代の死因2位は心疾患です。

虚血性心疾患は、心臓の冠動脈が動脈硬化によって狭くなったり、詰まったりして、心臓の筋肉に血液が流れにくくなるために起こる病気の総称。代表的な病気は、狭心症心筋梗塞です。肥満や高血圧、脂質異常、高血糖、喫煙のほか、50代になると血管や筋肉も老化によって機能が低下していくため、加齢そのものが危険因子となります。

50代の死因の3位は脳卒中です。

脳卒中は脳の血管に異常が生じるもので、高血圧や動脈硬化が引き金となって血管が詰まったり破れたりします。いずれも死に至る病気で、50代以降、急増するのが特徴です。

心筋梗塞脳卒中など、50代を脅かす病気の予防法は、何といっても生活習慣の改善。これから先、後悔しないように、現在の自分の生活習慣を見直し、改善すべき点は改善していきましょう。

 

心臓ドック、脳ドックを上手に利用しませんか。

会社や自治体で受ける一般健診と違って、人間ドックは自分の意思で代金を支払って受ける検査です。そして、人間ドックには基本検査のほかに、別料金で受診できる専門ドック(オプション検査)がいくつかあります。

そのなかでも、心筋梗塞脳卒中が多発しやすい50代以降に受診してほしいのが、心臓ドックと脳ドックです。MRIやCT、心電図などの検査で、心臓や脳の異常を早期に発見できるのはもちろん、心臓ドックは冠動脈の硬化や不整脈脳ドック認知症、脳腫瘍や脳動脈瘤などの病気の早期発見にも有効です。

このほかにも胃がん、大腸がん、乳がんなどの専門ドックがあり、死亡率の高いがんの発見に効果を上げています。50歳を過ぎたら専門ドックを上手に利用して、健康管理に役立てるのも良いのではないでしょうか。